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第51回 屎尿・下水研究会

消えゆく下水処理設備を映像に残す

竹島 正 氏

日時: 6月13日(金)18時30分〜
場所:TOTO新宿ショールーム(スーパースペース)
    会議室(プレゼンテーションルーム)
演題: 「消えゆく下水処理設備を映像に残す」
講師: 竹島 正 氏
内容: 森ヶ崎水再生センターに勤務していた当時、年々設備の更新が進み、従来型の設備が撤去される状況を目前にして、これら一時代の下水処理や汚泥処理を担っていた技術を生きた教材として後世に残すため、運転状況下にある間に、これらの設備を記録するビデオの製作を行なってきた。当日は、概要を報告するとともに製作したビデオの一部を放映する。




消えゆく下水処理設備を映像に残す

竹島 正

 平成20年6月13日(金)、東京・新宿のTOTO新宿ショールームのプレゼンテーションルームにおいて、第51回の屎尿・下水研究会例会が行われました。講話者は、本会会員の竹島正氏(現日水コン、元東京都下水道局)で、自ら製作したビデオ映像を放映しながら、適宜解説を加えるという手法で講話を進めていただきました。事前に配布されました講演要旨を以下に紹介する。
 1.東京都下水道局森ヶ崎水再生センターに勤務していた当時、年々設備更新が進み、従来型の設備が撤去されていく状況を目の前にして、これらの一時代の下水処理や汚泥処理を担ってきた技術を生きた教材として後世に残すため、運転している状態でのこれら設備をビデオに記録することにした。
 2. 映像アーカイブ化の背景: 
 設備更新後は従来設備に関する技術経験は受け継がれず、過去の経験が活かされにくい。 
 大量の退職者が出る時代になっており、技術や経験を残す場が必要となっている。
 映像記録は図面では表現できない騒音や照度など実際の設備の運転状況を伝えることができる。
 維持管理部門はとかく仕事の成果がみえにくいが、目に見える成果品として職場に残すことができる。
 3. 現時点の担当者が資料を整理し、本ビデオに出演しそれぞれの設備について説明してもらった。
 4. 作品の紹介
 @ 「ミーダー型汚泥掻寄機」: 昭和42年稼動の森ヶ崎水再生センターの最終沈殿池(24池)には、ミーダー型という他の場にはないユニークな汚泥掻寄方式が採用されている。その理由は、建設当時リンクベルト型は未だ導入事例も少なく、それまでのサイホン型採泥機のもつサイホン切れという欠点を解消でき、しかもサイホン型と同様に水中に駆動部がない丈夫な構造が着目されたためである。往復運動や掻寄板の上下操作など、制御には多数のリミットスイッチが使われている。
 A 「ベルトフィルター型真空脱水機」: 昭和47年に設置された真空脱水機は、機械台数24台を有し全国的にも有数な大規模設備である。石灰・塩化第二鉄の無機凝集剤を用いた汚泥脱水機としては、東京都に現存する唯一のものである。平成20年度末には休止の予定である。
 B 「多段炉型汚泥焼却設備」: 昭和58年に南部スラッジプラントで稼動した多段炉(300トン炉2基)は、真空脱水機から産出される石灰ケーキ用の焼却炉である。高分子凝集剤を用いたベルトプレスや遠心脱水機から産出される高分子ケーキの焼却には不向きであることから、汚泥焼却炉は流動炉に移行している。東京都では、この2基が最後の多段炉となった。平成20年度末に休止の予定である。

(運営委員・地田修一 記)