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第46回 屎尿・下水研究会

バングラデシュでエコサン・トイレをつくる

酒井 彰 氏

日時: 平成19年6月1日(金)18時30分〜
会場: 東京ボランティア・市民活動センター A会議室
講師: 酒井 彰氏 (本会運営委員会代表)
演題: 「海外でトイレを建設する」
     バングラデシュの農村地域において、屎尿分離型のトイレを30数基建設するとともに発生した屎尿を農地に施肥する衛生改善活動を3年間にわたって実施してきた経験を踏まえ、発展途上国にトイレを建設することの意義を考えてみる。




バングラデシュでエコサン・トイレをつくる

酒井 彰

 平成19年6月1日(金)18時30分より、東京・飯田橋の東京ボランティア・市民活動センターで第46回屎尿・下水研究会例会が開かれました。今回のテーマは「バングラデシュでエコサン・トイレをつくる」です。地球環境基金の助成金を受けて3年間らバングラデシュで実施してきたエコロジカル・サニテーション(エコサン)トイレの建設について、本会運営委員会代表の酒井彰氏に活動の意義と経緯を話していただきました。以下はその骨子です。
 @ 背景:バングラデシュではトイレを持たない人口が20%、あっても非衛生状態のトイレを使用している人口が40%。また、現地で普及しているピットラトリンも持続可能なものではなく、衛生的な管理がなされていないものが多い。一方、多年にわたる化学肥料施肥により農地の土壌疲弊が著しい。
 A 今回、建設・導入したトイレ:屎尿を農地への肥料、土壌改良材として活用することを目的とした、屎尿分離型トイレ。2系統を半年毎に交互使用。排便の都度、灰をまぶす(PHを上げ、殺菌効果をもたらす)。尿は適時汲取り農地や果樹にまく。大便は半年間の乾燥期間を置いた後に取り出す。乾式のため排便後の洗浄水は便槽に入れない。黒色のさらさらした乾燥した便となる。
 B コミラ地区に15基、スリナガル地区に25基建設。オーナー意識をもって管理してもらうため、個人の家庭用に限定。メンテナンス・修理は本人の責任と費用で。
 C 利用者は、ワークショップで指導したとおりに使用。その結果、臭いが少なく、ハエの発生もわずか。
 D 尿は化学肥料と大差ない施肥効果(キャベツなどの葉物野菜に対して)があった。
 E 良好な乾燥便が得られ、土壌改良材として牛糞以上の効果(オクラに対して)があった。寄生虫卵などの検査を実施し安全性の確認を行ったが、寄生虫卵は完全には死滅しない。そのため、施肥(有機物の補給)にあたっては土壌で覆土し風で飛散しないよう指導した。
 F これまで捨てられ環境汚染をもたらしてきた屎尿を土づくりに活用することへの認識は、現地でも広まってきた。肥料確保は世界的なリン資源枯渇、窒素肥料の主たる原料がエネルギー源である天然ガスであることから近い将来必ず困難になる。
 G このトイレに共感した地域では、自分たちで全額負担してでもこのトイレを造ろうという動きが出てきており、支援の対象としていきたい。
 H 政策提案:ピットラトリンの普及は第1段階(決められた場所での排泄習慣の普及)、エコサントイレは次のステップの技術として位置付ける。第2段階では、排泄だけでなくし尿の衛生管理、資源利用、地域ニーズへの対応が必要になる。

(屎尿・下水研究会事務局)