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第11回 し尿研究会の報告

衛生に関わる生活と奇習

鈴木 和夫



 7月13日(金)18時30分より日本下水文化研究会事務所において、会員の鈴木和雄氏より「衛生に係わる生活と奇習」と題する講話がありました。
 渡来人によって中国や朝鮮から高度な医学的知識がもたらされ、それらを基に「医心方」や「倭名類しゅう抄」が平安時代初期に編纂され、日本の漢方医術も次 第に整備されてきました。しかし、天然痘のような急性感染症の場合は、相変わらずなすすべがなく、加持祈とう、神仏などに頼ることしかできませんでした。
 そこで、鈴木氏にお願いして「衛生に係わる風習(奇習)」について、図や写真をふんだんに使って解説してもらいました。日本の事例のほかヨーロッパにも話が及びました。当日、話題になった風習(奇習)の主なものは次のとおりです。
 @ 赤絵;天然痘を防ぐために鎮西八郎為朝などの絵を赤色で画いたものを戸口に貼った。この風習は昭和の初期まであった。赤い色には神通力があると信じられていた。
 A お歯黒;歯を硫酸鉄の液で真っ黒に染めた。昭和の初期まで既婚婦人の間で女性のたしなみとして広く行われた。虫歯予防にもなっていたらしい。平安貴族の間では男性も行っていたとのこと。
 B 静脈血を抜き取る;中世ヨーロッパの貴婦人の間で行われた奇習。静脈血が黒血といわれ嫌われたため。
 C ビデ;婦人の性器洗浄器。1700年前後のフランスの都市部の貴婦人の間ではやった奇習。ベットルームなどにしつらえた。
 D 飲尿;一種の信仰として存在。効果のほどは疑問。