発表タイトル
分科会
屎尿・下水研究会
第5回 し尿研究会
「都繁昌記(天保9年)」に見るくみ取りの状態
聖徳大学付属高校 森田 秀樹
法令や事件などを通じて江戸期下肥問題に関する記録などを目にすることは多い。しかし、それらの文献はクールな史料である。そのような中「都繁昌記」の様に汲み取りの状態や、彼らの姿を生々しくルポルタージュ風に記述した文献は少ない。因果道士こと中島棕隠が天保9年にあらわした「都繁昌記」はわずか5頁程度ではあるが、肥取りの生活描写がされている。今日まで、その内容のみならず、原文が漢文で書かれているため本文献が紹介されることは稀であった。今回は書き下し文をもとに、現代語訳に挑戦し江戸期の肥取り状態を再現してみた。