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世界の列車トイレ −スイスの花のあるトイレ−
講話者 清水 洽*

コーディネーター 地田 修一(日本下水文化研究会会員)

 今回はスイスの「都市と水の調査」に出かけられた亀田泰武理事長からの情報です。スイスの鉄道は前回に報告したように国際列車が多く,いろいろな国の特急車両を見ることができます。しかしスイス国内は山岳地帯が多くその地形の制約からか特急列車はイタリア,フランス,ドイツのような高速運転はできません。そこで路線の改造で,列車のスピードアップや,主要駅での乗り継ぎ改善等により鉄道の便宜を図り,利用者アップを目指しています。高速鉄道路線はなくても,従来の速度よりもスピードアップを目指しており,各国の特急列車も座席が空いていれば自由に座ることができます。

1)ジュネーブ駅にて







写真1 ジュネーブ駅舎と構内に停車中の2階建て電車とそのトイレの入口。車両は2階建てで水洗トイレの汚物は貯留されていると思われます。汚物管は見つかりません。 2013.7.2 亀田泰武氏提供

2)ジュネーブ〜バーゼル

 ICN(国際列車)のスイス製一等車両のトイレ壁には綺麓な花模様が措かれています。スイス内においての高速鉄道は120km/hr程度の速度に落として走行していますが,他国に行けば高速路線を走行するため,トイレは水洗式か真空式で汚物はタンクに貯留していると思われます。







写真2 ジュネーブ駅始発バーゼル駅行きのICN621列車。トイレの壁には,車窓からの景色に見立てた絵と花の絵が描かれています。便器には水が溜まっているので水洗式のトイレで,汚物はタンク貯留と思われます 2013.7.3 亀田泰武氏提供




写真3 ICN621レはスイス国鉄がイタリアと共同開発をした車両で,イタリアのフレッチャ・アルジェントと同じ動力分散型の電車方式です。一等車両の座席は4人がけの個室です。2等車のトイレの壁にも一等車と同様の絵が描かれています。 2013.7.3 亀田泰武氏提供

3)バーゼルからフランス国鉄terの列車に乗り換える。







写真4 バーゼル市内のフランス国鉄SENCF駅での列車トイレとその洗面。1等車の車内は2,1の座席配置でゆったりしています。 2013.7.3 亀田泰武氏提供

4)ミュールーズ(Mulhouse)駅とフランス国立鉄道博物館



写真5 ミュールーズ駅から鉄道博物館へ向かう橋梁から見たミュールーズ駅構内とフランス国立鉄道博物館。 2013.7.4 亀田泰武氏提供








写真6  1910年の車両と列車トイレ。博物館内の車両で見つけた汚物垂れ流し管,当時はパイプではなく箱型のようです。 2013.7.4 亀田泰武氏提供




写真7 (Mulhouse)鉄道博物館からスツラスブルグ(Strasbourg)まで乗車した列車を牽引っするフランス国鉄電気機関車とterの車両の汚物垂れ流し管。 2013.7.5 亀田泰武氏提供




写真8 写真5と同じterの一等車両のトイレと手洗い。 2013.7.5 亀田泰武氏提供


写真9 帰りに乗車した列車のトイレは男女別々でした。 2013.7.5 亀田泰武氏提供


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写真10 フランス国鉄コルマール(Colmar)駅の玄関とホーム。 2013.7.5 亀田泰武氏提供

5)ミュールーズ駅からチューリッヒ



写真11 ミュールーズ駅からはTGVに乗りチューリッヒに向かう。TGVの列車トイレは真空式です。 2013.7.6 亀田泰武氏提供


写真12 バーゼル駅に到着したスイスのEC特急列車とバーゼル駅舎。このEC特急はイタリアと共同開発した車両で,ETR600フレッチヤ・アルジェント(動力分散型)と同じ型をしています。 2013.7.6 亀田泰武氏提供




写真13 スイスのECの特急車両のトイレの出入り口と真空式トイレと手洗い。 2013.7.6 亀田泰武氏提供




写真14 ストラスブールからチューリッヒへ向かう一等列車の男女別トイレ。 2013.7.6 亀田泰武氏提供




写真15 同列車の水洗式汚物垂れ流しトイレと洗面器。 2013.7.6 亀田泰武氏提供




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写真16 ガラスで覆われたフランス国鉄ストラスブール駅とその中の駅舎。 2013.7.6 亀田泰武氏提供


参考文献 1)「長新世界の鉄道」社団法人 海外鉄道技術協会2006.7 2)トーマスクック「ヨーロッパ鉄道時刻表」(12.12.09〜13.06.08)

※NPO法人21世紀水倶楽部