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シリーズ ヨモヤモバナシ



番外編:マンホールのヨモヤモ 足元の富士山

講話者 石井 英俊*

コーディネーター 地田 修一(日本下水文化研究会会員)

1.はじめに

 富士山が世界遺産に選ばれました。おめでとうございます。お祝いとして私が集めたマンホールのふたの中から「富士山」を集めてみました。富士山はどこにあるの?山梨県と静岡県にまたがってありますよね。皆さんはどちらから見た「富士山」がお好きでしょうか?うちの奥さんは「どこから見ても富士山は素敵だよねぇ」だそうです。私も同感です。

2. 静岡側から見ると

 まずは静岡県側からです。静岡市の消火栓に描かれた富士山は、2種類を以前ご紹介しました。今回初めに登場するのは旧清水市、現在は静岡市に合併しています。写真−1に描かれているのは「三保の松原と富士山」です。距離的に離れていることから、一時は世界遺産から外されていたんですが、ギリギリのところで選定されたようです。「河川」と書かれていますが、下水の蓋(キリシマツツジが描かれています)と隣り合って設置されていたので、雨水の排除用でしょうか。カラーの蓋は、観光旅行でバスを降りたその場所にあったものです。ラッキーでした。同じく南側から見た富士山は富士市のマンホールにも描かれています。写真−2は駿河湾から見た朝日に輝く富士山でしょうか。色のついていないふたでは波の向きが逆になっています。当地に行ってごらんになったら確認してみてください。このほかに沼津市のマンホールには、大瀬崎から見た駿河湾越しの富士山が、韮山町には反射炉とイチゴとともに描かれていました。

写真ー1


写真ー2

 富士山の東側、御殿場市の農業集落排水のマンホールのふた(写真−3)には、富士山をバックにカカシとカラスが描かれています。いたずらっぽいカラスを傘の上に乗せ、ちょっと困ったような表情のカカシがかわいいですね。公共下水のマンホール(写真−4)にはSLの力強い姿も描かれていました。よく見るとこのSLは「D52」、「D51」が良く知られていますが、D52は御殿場線の急勾配を上るために開発されたそうです。丹那トンネルの開通前はこちらが東海道線だったんです。裾野市のマンホールにも富士山が描かれていました。

写真ー3


写真ー4

 静岡市のさらに西、焼津市のマンホール(写真−5)にはジャンプするカツオと富士山が描かれています。この写真を撮ったのが5月の連休、ちょうど初ガツオのころでした。「旨そうなマンホール」ということで、私のお気に入りの一枚です。藤枝市には市の花の藤とともに、さらに西の島田市には「大井川の蓮台渡し」の背景に富士山が描かれています。

写真ー5

 

 まずはなんといっても富士吉田市(写真−6)、水道の制水弁のふたですが直径60cmの大きな径のものです。市の花はフジザクラ、市の木がシラカバ、鳥はアカゲラです。下水のマンホールはカラーのふたが見つかりませんでしたし、富士山も図案化されています。

写真ー6

3. 山梨側から見ると

 山中湖村のマンホールには、山中湖の湖面に遊ぶハクチョウと大きな富士山(写真−7)です。これも実風景をそのままふたの絵柄にしています。私の撮った写真では、ハクチョウは岸に上がっていました。忍野村も実際の風景を取り入れています(写真−8)。忍野八海の水車小屋と富士山は、絶好の写真スポットとして、訪れる人に人気の場所です。皆さんの中にもこの写真を撮った方がいらっしゃるんじゃないでしょうか。ちょっと離れていますが、大月市のマンホールには「猿橋」の背景に富士山が描かれていました。

写真ー7


写真ー8

 

4. まだまだありますよ

 富士山は、静岡・山梨両県だけのものじゃありません。さすがに扱いは小さくなりますが、関東でもまずは神奈川県の山北町(写真−9)、丹沢湖と永歳橋の奥に富士山が描かれています。やはり山頂部分だけしか見えないようです。東京都では小平市(写真−10)、武蔵野の住宅地の風景ですが、火の見やぐらの奥に小さく富士山が見えています。この絵柄は市民の方のデザインだそうです。埼玉県の三芳町(写真-11)、羽根をつけた坊や?が飛び上がっていますが、道路(関越自動車道?)の先に雪を頂いた富士山がそびえていますね。

写真ー9


写真ー10


写真ー11

 さて富士山はどこまで見えるんでしょうか。東京湾を挟んで千葉県の富津市(写真−12)、東京湾をまたぐ橋とその奥に富士山が描かれています。国道16号が富津と横須賀を結ぶ計画になっているのですが、その時にこの橋が建設されるらしいのです。いつになるのか、少なくとも私の目の黒いうちには実現しそうもありません。ここまでと思いきや、さらに遠くにありました。茨城県の牛堀町、現在は合併して潮来市になっています。牛堀町のマンホール(写真−13)に描かれているのは、葛飾北斎の『富嶽三六景』のうち「常州牛堀」、絶景と言われる「牛堀の帰帆」を描いたものですが、遠くに富士山が見えています。今じゃ見えないんでしょうが。

写真ー12


写真ー13

5. ○○富士もあります

 続いて日本各地にある富士山をご紹介しましょう。まず北海道には「蝦夷富士」の羊蹄山があります。写真−14は京極町の「吹き出し公園」が描かれたマンホールです。羊蹄山に降った雪が地下水となって噴き出していました。他には「渡島富士」の駒ヶ岳が森町のふたに登場します。
 東北では、青森県の岩木山が「津軽富士」です。津軽平野の南にそびえる霊峰として、いくつもの町村のマンホールに描かれていますが、写真−15の岩木町のものを紹介しましょう。お米とリンゴも外せませんね。「南部富士」の岩手山は滝沢村の「ちゃぐちゃぐ馬っこ」とともに描かれていました。(写真−16)

写真ー14


写真ー15


写真ー16

 秋田・山形県境ある「出羽富士」の鳥海山も多くの市町村のマンホールに登場します。日本海沿いの単独峰、どこからでも眺められる鳥海山です。秋田県の大雄村のふたには特産の「ホップ」とともに(写真−17)、山形県の遊佐町のふたには町の花「チョウカイフスマ」の白い花とともに描かれています。他にも十文字町ではカラーで白鳥と、八幡町は「出羽富士の里」だそうです。福島県の磐梯山は「会津富士」、会津若松市のマンホール(写真−18)には市の木の松の奥に磐梯山が見えます。
 関東では「榛名富士」の榛名山が榛名町のマンホールに描かれていました。榛名町は高崎市に合併しましたが、同じ絵柄に「高崎市」と書かれたふたが設置されていました。

写真ー17


写真ー18

 福井県の「越前富士」をご存知でしょうか?この山は日野山で、武生市のマンホールに登場します(写真−19)。市内には「紫式部公園」がありますが、夫がこの地に赴任したため、紫式部はこの山を眺めて遠くの京をしのんだそうです。

写真ー19

 滋賀県の野洲市、合併後に作られたマンホールには山が描かれています(写真−20)が、地図を見ると「みかみ山」のようです。私も初めて知りましたが「近江富士」とも呼ばれているそうです。
中国地方では「伯耆富士」の大山が良く知られていますね。日野川沿いの市町村のマンホールに大山が描かれていました。その代表として岸本町のものを紹介しましょう。(写真−21)中央にあるのは名産のスイカですが、その左にあるのは「しび」、お寺の屋根に乗っかっているのを見たことがあります。

写真ー20


写真ー21

 四国には「讃岐富士」の飯野山があります。高さはありませんが、讃岐平野にポッコリと突き出た形の良い山です。飯山町、「はんざんちょう」と読みますが、現在は丸亀市に合併しています。写真−22のマンホールには名産のモモと偏平足の足が描かれています。「おもじょの足跡」というのが山頂にあるそうです。おもじょという巨人が担いでいたモッコの土がひっくり返って飯野山になったという伝説があるそうです。
 鹿児島の「薩摩富士」の開聞岳、どこかのマンホールの絵柄になっているらしいのですが、残念ながらまだ撮っていません。ごめんなさい。

写真ー22

6. おわりに

 富士山に絡めて、いろいろな山を描いたマンホールを見てきました。〜富士じゃない山もマンホールにはたくさん描かれています。筑波山、八ヶ岳や甲斐駒ヶ岳、木曽駒ヶ岳、北アルプス等々、その町の象徴として親しまれているんですね。機会があればご紹介したいと思います。

※日本のマンホール文化研究会