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世界の列車トイレ −ペルー−

講話者 清水 洽*

コーディネーター 地田 修一(日本下水文化研究会会員)

 日本から最も遠い国,地球の裏側に当たる,南アメリカ大陸のペルーへ観光ツアーで2013年4月に出かけました。もちろん鉄道に乗れることを条件で,インカ帝国の遺跡マチュピチュやナスカ地上絵の観光が目的です。
 ペルーは日本の3.4倍の広さの面積に人口約3,135万人の農牧産業と銅等の鉱物を産出する国で,アルベルト・フジモリ大統領の時代に日本人人質事件の起こった国です。国土は首都リマの海岸地帯(コスタ),マチュピチュのある標高2,500〜3,00Omの山岳地帯(シエラ),アンデス山脈を越えたアマゾン熱帯雨林地帯に分かれており南北を縦貫する鉄道はありません。
 1851年4月にリマ〜カリヤオ間にペルー初となる鉄道が出来ましたが、農作物や鉱石などを港に運ぶための民間鉄道に過ぎず,国土を結ぶ鉄道網の計画はありませんでした。
 1972年にこれら各地域にできた鉄道を統合した公営企業体として,ペルー国鉄が設立され中央鉄道(FCCA),南鉄道,南東鉄道(クスコ〜キラバンバ)の3管理局を持つこととなり,1985年にはペルー開発公社がその株を100%所有することとなりました。

写真1 インカの空中都市マテュピチュ,標高2,400mの山奥に築かれた1450年頃の謎の都市です。 2013.4.4

 現在は地区により5つの会社の独立路線で運営されています。
 FCCA(中央鉄道)はCallao港,リマからアンデス高原を結ぶ鉄道です。
 FCHHは合併後HuancayoとHuancavelicaを結ぶ地方鉄道です。
 FCTはマタラニア,モリエンド港とチチカカ湖,クスコを結ぶ鉄道で,さらにクスコからマチュピチュ,Quillabamabaを結ぶ単線・狭軌(914mm)線を運営している,インフラと車両を所有している会社で,これを姉妹会社ペルーレイルに使用料金をとって貸与,ペルーレイルが列車運行を行っています。
 ほかにtacna-Arica鉄道やIlo-Toquepala鉄道など単独区間を運行する鉄道路線があります。
 今回,私が乗車したのはFCT鉄道の観光列車でオリャンタイタンポ駅〜マチュピッチュ駅の往復です。私の乗車したビスタドーム()列車の車両は普通車ですが各車両とも上部までガラス張りのパノラマカーです。各車両にあるトイレは広く水洗の真空式トイレでした。この他にポロイ(クスコ)〜マチュピチュ(約110km)の往復乗車とシャトルバス往復乗車券とマチュピチュの入場券やガイド付きでUS$658もする豪華列車ハイラム・ビンガム(HB)も運行されています。



写真2 標高2,600mのオリャンタイタンポ駅に停車中のインカ・レイル(E)列車。最も安いエクスペディション用の車両です。 2013.4.4


写真3 オリャンタイタンポ駅で発車を待つマテュピチュ駅行きのビスタドーム(V)列車を牽引するディーゼル機関車。 2013.4.4




写真4 狭い渓谷をゆくビスタドーム列車の車内からウルバノバ川を見る。列車はアマゾン川の源流の一つウルパノパ川沿いにマチュピチュまで下っていきます。私の出かけたときは雨季の末期で激しい水流で列車の土手が崩れそうでした。 2013.4.4




写真5 ビスタドーム列車の天井がパノラマになっている車内。この列車には軽食とドリンクサービスが付いています。右の写真は後方にあるトイレの入口です。出発時は鍵が掛けられていましたが,次の駅で多数の乗客が乗車しトイレの鍵が外されトイレの写真が撮れました。 2013.4.4




写真6 ビスタドーム列車のトイレと手洗い,右のレバーで水が流れます。流石に観光列車でありトイレは広く清潔でした。 2013.4.4




写真7 トイレットペーパーも装備されていました。また列車を降りてトイレの下を覗くと円筒形の小さな汚物を貯めるタンクがありました。 2013.4.4


写真8 マチュピチュ駅からバスに乗り標高差400m登ったところにインカ遺跡の石造りの都市マチュピチュ遺跡があります。遺跡から見下ろすと私たちが下車したマチュピチュ駅とウルバンバ川を見下ろせます。 2013.4.4




写真9 マテュピチュ駅で待っていると乗車だけでUS$500ドル以上必要なハイラム・ビンガム(HB)列車が車庫から登ってきました。この先でユーターンしてバック運転でマチュピチュ駅に入ります。上から覗くと個室の車内が見えました。 2013.4.4


写真10 2両の客車と1両の貨物車でマチュピチュ駅からボロイ(クスコ)駅まで登って行くエクスペディション(E)列車。SL並の煙を上げていました。


写真11a


写真11b


写真11C


写真11d
写真11 マチュピチュ駅の列車の動きです。aマチュピチュの車庫から出てきた(V)列車 bクスコの方面に進み C,dバックでマチュビチュの駅に入線します。

引用文献
1)社団法人 海外鉄道技術協力協会「最新 世界の鉄道」鰍ャょうせい 2006.7
2)地球の歩き方「ペルー・ボリビア・エクアドル・ コロンビア」株ダイアモンド・ビグ 2013.2.1


※NPO21水倶楽部
 日本下水文化研究会会員